〜一話のみ台本集〜

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【手〜綺麗な心の手〜】


※まずこの台本には性的な表現がいくつかございますので、予めご確認ください。

台本比率   ♂3:♀2:不1
       か♂2:♀2(かぶりを配役どおりにやっていただければ大丈夫です)

香 (コウ)♀:歳は23歳。悠の姉。昔から心優しく、基本静かな女性。しかし、妹を守るためなら気丈な振る舞いを見せる。

悠 (ユウ)♀:歳は18歳。 姉とは対象的に活発で明るく正義感の強い女性。姉を助けるために彼女は…

戒厳(カイゲン)♂:歳は18歳。討幕派を率いる剣豪と呼ばれる男。懐が深く、皆から人に慕われる存在。

光景(ミツカゲ)♂:歳は16歳。討幕派を率いる戒厳の右腕見た目と性格とは裏腹に剛腕な剣士で破壊力が強い。戒厳に永遠の忠義を誓っている。(不問でも可)

武士@♂:戒厳と被り推奨

武士A♂:光景と被り推奨



【この枠の中は解説なので読まなくて大丈夫です。イメージを膨らませるために書いております。】


【九重李(クジュウリ) 4年 4月16日
 満月の夜…空には真っ赤な満月が輝いている。
 そんな空の下で悠と香がせっせと洗濯をしている】


悠「…月が…」


香「悠?」


悠「月が…変な色をしてる…」


香「本当…なんだか気味が悪いわね…」


悠「お姉、早く洗濯、終わらせて帰ろう…」


悠N(なんだか嫌な予感がする)


【廊下から武士たちが豪快な笑いをしながら歩いてくる】
 

武士1「ククッ…おーい、おまえたち」


悠「っ!?」


武士1「こんな夜中に何をやっている?」


武士2「洗濯か?…全く、相変わらず仕事が遅いな!ぎゃはははは!」


香「も、申しわけございません…」


悠「(酒くさい…こいつら酔ってるな…)お姉…こいつらに関わるとろくなことが無いよ。早く部屋に戻ろう…洗濯も終わったし」


武士1「おいおい、待てよ?」


悠「い…ッ!?」


香「悠!?」


武士2「おい、女官。誰にそんな態度を取ってやがる」


悠N(くっ…力が強すぎて振り払えない…)


武士1「ククッ…お前よくみれば可愛い顔をしているな?その睨みもなかなかそそるじゃないか…どれ、こっちにきて相手をしろ」


悠「っ!?やっ…!」


香「何をなさいます!おやめください!」


武士1「何だ?煩いぞ娘」


シュッ…(刀の抜く音)


香「っ!?」


武士2「まぁ待て、何も切り捨てることもあるまい。」


ギュッ(香を抱き寄せる武士2)


香「やっ!?」


武士2「お前が相手をしろ」


香「なっ!?お離しください!」


武士1「相手をしなければ妹を切り捨てるぞ」


悠「っ!?」


香「………解かりました…」


悠「っ!?お姉!なんで…!」


香「悠…お前は先に戻っていなさい」


武士1「せいぜい楽しませてもらうとするか」


悠「っ…(お姉…お姉…!)」



━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━
【しばらくして…数分後…
 部屋から武士たちが出てきて】


武士1「あの女、未通女(オボコ)だったわ。道理で締まりがいいはずだ」


武士2「お主、加減をしてやらんかったからわんわん泣いておったな。まぁ、それはそれで楽しめたがな」


悠N(っ…お姉を…あいつら…とりあえず、部屋に!)



ガラッ……(襖等の効果音)



香「っ…!?」


悠「お…姉…」


香「悠…」


悠N(お姉の横の畳に滲んだ…血の…跡)


武士1N「あの女、未通女(オボコ)だったわ。道理で締まりがいいはずだ」


武士2N「お主、加減をしてやらんかったからわんわん泣いておったな。まぁ、それはそれで楽しめたがな」


悠「うっ…ひくっ…」


香「悠…!どうしたの?大丈夫?」


悠「ご……なさい」


香「え?」


悠「ごめんなさい!」


香「どうして謝るの?悠は悪いことしてないじゃない」


悠「だって…!だって…っう…」


香「私は大丈夫よ…だから泣かないで…ね?」


悠「っ…」


悠N(あいつら…絶対に許さない…私はあいつらを絶対に許さない…)



━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━━─━─━─━─━━─━─━─━─━─━─━
【それから…数日後
 今日もある部屋で淫らな音と嫌な声が響いている】


武士1「もっといい声で鳴いてみぬか…盛り上がりにかけるではないかッ…」


香「申し訳…ございませ…んっ」


武士2「全く…妹の為とは言えよくやるわ…っ……ぐぅ!?」


香「え?」


武士2「ぐぅ…がぁぁぁぁ!?」


香「!?」


武士1「どうし…ぐぁっ!?」


【血飛沫が香の目に飛び込んでくる。
 それぞれ男達の首からは血がどんどんとあふれ出てくる。】


武士1「おのれ…っ!?…貴様は…」


悠「……」


武士1「おのれ…おのれぇぇぇ…っ…」


悠「……」


香「悠…」


悠「はは…ごめん…ね…?こんな風にしか思いつかなかったんだ…助ける方法…」


香N(そういいながらこちらに微笑みかける彼女の顔にはべっとりと返り血がつき、目からは大粒の涙が溢れていた)


悠「逃げて…お姉…」


香「え…?な、何言ってるの…悠も一緒に…」


悠「私はもう…罪を犯しちゃった…もうお姉の妹じゃいられないよ…」


香「悠…」(悠を抱き締める)


悠「やめて…!離してお姉…!血が…お姉が穢れちゃうか」


香「あなたは何をしても私の妹よ…」


悠「!」


香「あなたは穢れてなんかいないわ…私の優しくて可愛い妹のままよ…」


悠「お姉…っ…」


香「逃げよう?一緒に…」


悠「ひっくっ…うんっ……」



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【二人は走り出す。
 場面か変わり森の中 
 光景・戒厳が暗い夜の森の中を歩いている。】


光景「若…どうかなされましたか?立ち止まったりなんかして」


戒厳「光景…泣く声が聞こえねぇか…?」


光景「?…私には聞こえませぬが…戒厳様、空耳では?」


戒厳「……いや…そんなはずは?…ん?(こんな夜中に人影が…)」


悠「お姉…大丈夫…?」


香「大丈夫よ…まだ歩けるわ…早くっ…」


悠「お姉!?」


光景「だ、大丈夫ですか!?」


悠「っ!?」



【悠は持っていた短剣を懐から取り出し、光景にとびかかる。】



光景「おわわわわっ!?」


カキン―(戒厳にそこをいとも簡単に止められる)


悠「っ!?」


戒厳「いきなり奇襲とはな」


悠「武士なんて…武士なんて全部同じだ!…女を利用して、お姉を傷付けて、追い詰めて…武士なんて皆死ねばいい!!」


戒厳「……はぁっ!」



【悠は短剣を弾き飛ばされて、その衝撃により後ろに倒れる】



戒厳「何があったかは知らんが…そのままじゃお前の姉は疲労で死ぬぞ」


悠「っ…」


戒厳「お前が気を動転させていてどうする…お前は姉を助けたいんだろう?」


悠「助け…たい…」


戒厳「光景」


光景「は、はい!」


戒厳「治療してやれ……」


光景「なっ、しかし!我々を襲ってきた輩ですよ?」


戒厳「光景」


光景「……わ、わかりました」


戒厳「……ほら」(自分の上着を悠に被せる)


悠「っ!?何をする!」


戒厳「冷えてんだろ…被ってろ」


悠「なんで助ける…武士のくせに…」


戒厳「お前はバカか…?」


悠「なっ!?」


戒厳「はぁ…目の前で死にかけてる奴を救おうとするのが人だろう?武士なんて関係ない…俺は自分の思った通りに行動するまでだ」


悠「あ…ありがと…」


戒厳「フッ…ちゃんと礼くらいは言えるじゃないか」




香「ん…」


光景「あ、お気付きになられましたか!」


香「っ、悠は!?」


光景「あなたの妹さんですか?妹さんなら無事ですよ…」


香「そう…よかった…」


光景「あ…立てますか?」


香「は、はい…」


悠「お姉!」


香「悠…!」


悠「よかった…よかった…」


香「もう…心配性ね…?あ、…えっと…」


戒厳「礼はいい…ただ聞きたいことがある。どうしておまえたちは傷だらけなんだ?妹に関しては…それは返り血だな…」


悠「…っ…」


香「私達は…家から逃げてきたのです…」


香N(私は今までされてきた仕打ちをすべてこの人達に話した。彼らは真剣に私たちの言葉に耳を傾けてくれている)


戒厳「なるほど…な…(それほどまでに恨んで等々手にかけたというのか…俺とそう歳も変わらんというのに)」


悠「だから、私達に関わらない方がいい……そんな女に関わりたくないでしょ?傷の手当てはありがと…それじゃ、さようなら」


戒厳「待て」


悠「っ!」


戒厳「ほっとける訳ないだろ。第一、行く宛もないのに森の中をさ迷うつもりか?死にてぇのかよ?」


光景「若…もう少し優しい物言いをしないと女性は怖がりますよ?」


戒厳「ふんっ……ならば…くるか?」


光景「若?」


戒厳「おまえたち…武士が憎いんだろ?」


香「え?」


戒厳「俺も今の武士のやり方には納得がいってなくてな。武士政権なんてないほうがいいと思っている」


悠「……」


戒厳「俺逹はそんな政権を壊すために行動している」


香「壊すって…」


戒厳「俺が変えてやろうか?…お前逹に居場所を作ってやろう」


悠「どうして…なんで…」


戒厳「?」


悠「武士なのに…私は武士に手をかけた人殺しなのに!なんで優しくするのよ!こんなに手を汚した女なのに」


香「悠…」


戒厳「はぁ〜…ただの小さな手じゃねぇか…」


悠「え…?」


戒厳「罪だとか汚れてるとか関係ねぇよ。ただの小さな手だ。馬鹿馬鹿しい」


悠「っ…うっ…」


香「悠…あなたは私の大切な可愛い可愛い妹に変わりはないっていったでしょう?」


戒厳「泣くんじゃねぇよ…心底悪いやつなんて早々いない…何かしら理由があるからこそ、罪を犯す…お前もその類だ」


光景「そうですね…その人達の心をわかってあげることが一番なんです…私たちはそのために幕府と戦っているのです」


戒厳「お前の手は一つも汚れてねぇよ…お前の心が汚れない限りな…」


悠N(罪を隠して生きていくことはできない…
でもそれでもそんなのは関係ないといってくれた彼の手はとても綺麗で…私はそれに負けない強い心が欲しいと…その手と同じくらい綺麗な手になりたい…そう思った)



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